kango.の暇なとき。

暇なときに書く!!いわゆる暇つぶし。

第三話 怪我

長い黒髪の少女はキョトンとした表情で、こちらを見つめていた。未だに震えの止まらない足で、再び逃げようとした瞬間、彼女は大きな声をあげた。
「足‼︎怪我してるよ!」
あまりに大きな声で言われたので思わず肩がビクッとなってしまった。言われたとおりに足を見るといたるところから鮮血がにじみ出ていた。
「あ……」
思わず声が出た。こんなに大量の血を見たのは久しぶりだのことだからだ。
「手当てするよ!だから、私の家に来て!すぐそこなの!」
彼女は、まるで自分が怪我をしてしまったかのように慌てていた。
「早く!」
地団駄を踏み、私の着物の裾を引っ張った。