kango.の暇なとき。

暇なときに書く!!いわゆる暇つぶし。

第一話 出会い

「ねぇ」
その瞬間、母のあの言葉を思い出した。「あなたは人間じゃないの」全身から気持ち悪い汗が吹き出た。
「ねぇってば」
声が大きくなったのと同時に、こちらに近づいてくる。指先はガクガクと震え、折りたたんだ足も頼りにはならないくらい震えていた。
「……なんで返事してくれないの?」
声が小さくなった。今なら逃げられる。その考えが頭に浮かんだとき、さっきまで震えていたはずの足が地面を蹴っていた。
「……あっ、待って!」
声の主も慌てて追いかけてくる。
「なんで逃げるの⁈悪いことしてないなら逃げる必要ないじゃん!」
悪いこと。その言葉に気を取られ足元が狂った。
ズシャァ───────
豪快な音と共に体にひどい激痛が走った。